滋賀県立大学・環境動態研究室(永淵・尾坂研究室)

研究内容
当研究室では大気中における汚染物質の挙動から、それらが陸域生態系に与える影響を研究対象としています。琵琶湖集水域を主な研究フィールドとしつつ、屋久島、富士山やパランカラヤなど国内外の様々な場所で研究を行っています。陸域生態系としては、現在のところ主に森林生態系を対象としています。汚染物質としては主に水銀(Hg)、窒素酸化物 (NOx)、イオウ酸化物(SOx)、オゾン(O3)などを対象とし、安定同位体比を用いた解析手法も利用しています。

主な研究テーマはメンバー紹介のページを見てください

研究サイト紹介
★朽木森林流域(滋賀県北西部)
★油日森林流域(滋賀県南東部)
★墨摺森林流域(滋賀県北部)
★琵琶湖沿岸(宇曽川沖)
★彦根城堀
★伊吹山(滋賀県北東部)
★富士山(山梨・静岡県)
★屋久島(鹿児島県)
★霧島(鹿児島県、宮崎県、熊本県の県境)
★綾(鹿児島県、宮崎県、熊本県の県境)
★パランカラヤ(インドネシア)
★カトマンズ(ネパール)

朽木森林試験流域(滋賀県北西部)

朽木森林流域では1.10haのL流域、 1.92haのR流域で量水堰を設置して流量・河川水質などの観測を行っています。降水の量や水質も測定しています。滋賀県の北西部に位置しますので冬に雪が降り、一年のうち冬の降水(降雪)量が多いのが特徴です。1996年にL流域では皆伐試験が行われました。森林内の物質循環過程、それによる渓流水の水質形成過程について研究しています。

墨摺森林試験流域(滋賀県北部)

墨摺森林流域では10.8haのA流域、13.1haのB流域、7.1haのC流域で量水堰を設置して流量・河川水質などの観測を行っています。また、気象観測タワーを設置して大気汚染物質(湿性・乾性沈着、ガス濃度)の詳細な観測を行っています。森林への大気汚染物質の流入、森林内の物質循環過程、それによる渓流水の水質形成過程について研究しています。

油日森林試験流域(滋賀県北西部)

油日森林流域では3.34haのS流域、0.63haのR流域で量水堰を設置して流量・河川水質などの観測を行っています。降水の量や水質も測定しています。森林内の物質循環過程、それによる渓流水の水質形成過程について研究しています。

琵琶湖沿岸(宇曽川沖)

琵琶湖沿岸域での湖底堆積物の巻き上げプロセスとそれによる栄養塩物質の形態変化について研究しています。

彦根城堀

彦根城堀水の富栄養化状態把握と水質改善に関する研究を行っています。

伊吹山

伊吹山は関ヶ原の西部に位置し日本海からの季節風（冬季）と伊勢湾からの季節風(夏季)が吹き抜けます。当研究室では伊吹山の複数の高度に大気観測装置を設置してさまざまな大気ガス濃度観測を行うことで、大気汚染物質の移流について研究しています。

富士山

富士山は日本で一番高い単独峯であり、高層の大気の流れで移動している大気汚染物質について観測することができます。当研究室では海抜0mから3776mまでの複数の高度に大気観測装置を設置して観測を行っています。

屋久島

屋久島は日本とアジア大陸の間にある海上の単独峯であり、大陸から大気を介してもたらされる物質を観測するのに最適な場所です。屋久島にもたらされる大気降下物(湿性・乾性沈着、ガス濃度)の観測と、それらの屋久島の植生に対する影響を研究しています。富山県立大学、豊橋技術科学大学、森林総合研究所と共同研究を行っています。

霧島・綾(鹿児島県・宮崎県・熊本県の境)

霧島・綾では屋久島と同様に森林への大気汚染物質物質の流入と、それが植生に与える影響について研究しています。森林総合研究所と共同研究を行っています。

パランカラヤ(インドネシア)

パランカラヤでは金の採掘とそれに伴う大気、河川の水銀汚染について研究を行っています。富山県立大学、豊橋技術科学大学と共同で研究を行っています。

カトマンズ(ネパール)

カトマンズ盆地の地下水中での窒素除去プロセスとN2O(温室効果ガス)発生プロセスについて研究しています。山梨大学国際流域環境研究センターと共同で研究しています。