RYUBOKUHUTプロジェクト|沖島

Architecture

RYUBOKU HUT について portfolio



 現代建築は機能や経済に支配されてしまった。
 本来建築は人間の生存を守るシェルターであり、人々が宇宙や地球上の森羅万象とつながることができる場である。

 流木ハットは、沖島のコスモロジーから生まれた建築である。
 島に流れ着いたすべてかたちの違う流木を中央のエナジーヴォイドを中心に放射状に組み、漁網で結束し、島の笹や湖のヨシで屋根を葺いた自然循環の中に存在する建築である。

 宇宙と地球をつなぐ建築はいかなるものであろうか。

 (芦澤竜一)

Project

 流木ハットは、滋賀県近江八幡市沖島町の漁業会館横の広場に休憩所を建設するプロジェクトです。敷地が離島であるという立地条件から建材を島に運搬するのは難しく、できるだけ沖島近辺の素材を用いた循環を生む建築として計画しました。また、島内の漂着する流木の問題に着眼し、主構造は流木で計画し、接合部は漁師の漁縄、床素材に石英斑岩を用いるなど、沖島とその周辺で得られる素材と技術を応用することで沖島ならではの建築となっています。

 流木をはじめとする地域素材による建築と、ローカルな地域で建築活動を行うことによるコミュニティ形成についての思考と実践の為のプロジェクトです。


沖島活動日誌

集落での日々の活動を記録し、現地で体感することから生まれる思考の軌跡を残すことを目的とします。


published on September 30 ,2022

流木ハット ビエンナーレ準備WS 14日目

 本日は、屋根の追い葺きに向けた竹刈りと、看板作成に向けたロゴの検討、通船のおじちゃんの頼みである竹を使った道具の直しを行った。

 屋根の追い葺きについては、先日完成していたが、より完成度を高めるために、笹を全体的に内側にもう少し出すことを目標に行っている。本日は来週の来週に行う笹の追い葺きのために、竹刈りと枝打ちを行った。竹刈りについては、先週既にかなり刈っていて、急斜面の竹林での作業になったので、より安全に気を付けて竹を刈った。枝打ちについては、去年の屋根葺きの作業時にも手伝ってくれた、島に住む小学生も一緒に行ってくれた。枝打ちや、昨日行ったはこ結びは、島民の方からこれまでに教えてもらった技術であり、今後も研究室の後輩などにも受け継いでいきたいと思う。

 看板作成については、看板に適切な舟板を探し、ロゴの検討を行った。看板に適切な舟板として、倉庫に残っている舟板のなかで最も大きなものを選んだが、昨日作成した看板よりは小さくなってしまう。このことから、自然素材を使う場合には、同じものをつくることができない(=大量生産は不可能であるという)ことが分かった。また、自然界には大きさや形の決まりがないことの面白さを改めて実感した。

 学部4年 小林優希 2022.09.30
















published on September 29 ,2022

流木ハット ビエンナーレ準備WS 13日目

 本日は、せん断した流木の取り換えと屋根の整備、看板スタディ、位置の検討、周辺掃除を行った。

 看板のスタディは、以前制作した流木ハットのロゴをもとにデザインを考え、北側のメイン道路のアプローチ部分に設置を行った。看板の設置場所に石場をつくり、木の舟板を石場建の要領で建てるようなザインである。看板はアプローチ手前に設置することでメイン通りを通る人の引き込みを考えたが、舟板の背が低く、高さの取れる別の舟板で作り変える必要ができた。今後工期を延長し、看板の設置を行う予定である。

 昨日完了した屋根の追い葺きに関しても、葉量が少なく、もう少し追加で葺く必要ができた。

 本日はビエンナーレ開催前ということもあり、TV局や県庁の職員さんなど、たくさんの方が来島されていた。ビエンナーレ時に完成させられるよう、あと少し頑張っていきたい。

 また、本日は自治会の方々に、資料館の計画地を案内してもらった。沖島の将来の発展のため、新たなPJにも向き合っていきたいと考える。

 修士2年 黒木一輝 2022.09.29








published on September 28 ,2022

流木ハット ビエンナーレ準備WS 12日目

 本日は、屋根の追い葺きと、看板作成に向けたアプローチ整備(植栽の配置)を行った。

 屋根の追い葺きはこれまでワークショップに参加してくれた皆のおかげで、本日、無事完成した。普段見守ってくれている島民のおじちゃん達も、「去年からだいぶ笹が落ちてきたもんなー頑張っとるな」と応援してくださっていた。今後も流木ハットの躯体の取り替えのように、定期的に屋根を追い葺きしてメンテナンスしていきたい。屋根葺き作業は、去年から行っているが、今日のように、雨がふった次の日には、特に屋根の葺き方の工夫の重要性を実感する。したがって、今後の屋根葺き作業のときにも、葺き方の工夫を継承していく必要があると感じた。

 アプローチ整備については、歩いている人が流木ハットに気づいてコーナー部分からも歩いてきてもらえるようにするために、植栽の移動と剪定を行った。明日は、整備したコーナー部分に看板も設置するが、建築を説明するものや、モノが建築であると認知できるもの、の重要性を感じた。そして、また、その建築に誰もが近づくことができる動線、など建築の周囲の環境についても必要性を感じた。

 ちなみに、お昼には、公民館の方にお誘いをいただき、本日オープンのお弁当屋さんのお弁当を、島民の方といただいた。

 学部4年 小林優希 2022.09.28








published on September 27 ,2022

流木ハット ビエンナーレ準備WS 11日目

 今日は4人がワークショップに参加してくれた。

 今日は主な作業として、机の設置、屋根の追い葺きを行った。

 流木を使用しているため、ホゾの加工に苦戦したが、既に完成している机を参考にしてきれいに仕上げることができた。掘立てる作業を初めて行い、机の脚を作成した。土から延びる脚に支えられて完成した机はRYUBOKU HUTとの一体感を持っているようだった。

 内側に家具が増え、様々な居場所が垣間見えるようになってきた。

 屋根の追い葺きにより、RYUBOKU HUTの印象が見る場所によって変化する。

 今後も姿が変化していくので、どうぞご期待。

 学部3年 廣田蒼 2022.09.27








published on September 26 ,2022

流木ハット ビエンナーレ準備WS 10日目

 本日はRYUBOKU HUTにて、笹結作業、防腐剤塗装作業を行った。

 防腐剤塗装は、これまでの家具一式に塗装を行った。二宮さんとのWSで作成した掘建机の丸ほぞ部分に丁寧に塗装を行った。また、塗装の際に気になったささくれなどの整理をし、屋外に置いてある家具の耐久性と安全性を高めるように作業を行った。

 本日は2名での作業となったため、前回刈った竹16本分の笹の乾燥作業と、笹結作業を行った。笹は刈る時期の関係でやせ細っているものが多く、表層葺きを行う際に葉の密度が大きくなるように束をつくる必要があると感じた。また前回葺いた部分は少しくすんだ緑になり、以前の古い笹との親和性が高くなっているように感じた。明日からの屋根葺き作業に向けての良い準備ができたと思うので、明日の作業も気合を入れて取り組みたい。

2022.09.26 修士2年 黒木一輝








published on September 23 ,2022

流木ハット ビエンナーレ準備WS 9日目

 今日は午前中から二宮さんが、午後から芦澤先生がワークショップに参加してくださった。また、他大学からも3人もワークショップに参加してくれた。

 二宮さんは、香川県で木工職人として活躍しておられ、はるばる沖島まで来てくださった。机のホゾの作り方や、椅子の座面の編み方のコツ、さらに道具のあり方などまでお話していただき、非常に実りのある時間となった。流木や舟板という加工するのに扱いにくい材であるのにも関わらず、一緒にスタディして下さったことに感謝している。

 先生には、屋根の追い葺きの現状、家具の完成品と家具の配置計画、のチェックをしていただいた。展示や看板についてのアドバイスも頂いたので、来週ラストスパート頑張っていきたい。

 今後ビエンナーレまで、家具の完成はもちろんのこと、屋根の追い葺きや、看板、展示についても熟考しスタディを重ね、さらに良いものとなるよう頑張っていく予定ですので、どうぞご期待。

2022.09.23 学部4年 小林優希








published on September 21 ,2022

流木ハット ビエンナーレ準備WS 8日目

 台風が過ぎ少し肌寒い気候の中、本日は作業を行った。竹刈り、枝打ち、笹結、屋根葺きといった屋根葺き作業と、沖島で頂いた漬物石の配置検討を行った。

 朝、島のおっちゃんに声をかけていただき、漬物石を7個頂いた。漬物石は流木ハット内の石畳の上に配置し、空間と連続した家具のようなものとして機能するように計画するように考えた。石の配置スタディでは、どのように置くと空間に作用するか、どういう動きを作れるか、などを注視しながら検討を行った。最終的には、各ドーム空間とそのつなぎ目に間隔を少しずつ変えて場所を決め、円状のラインから少しずれるように配置した。中心のヴォイドと石の存在、自然素材で作られた家具の配置によって、流木ハットのドーム空間が以前より広がりをもったように感じた。

 屋根葺きでは、竹刈り・枝打ち・笹結という体力作業ではあったが、下級生の力に助けられながら作業を行った。屋根は傷んだ笹屋根の表面を均し、その上から新しく採取した笹束を結っていく表層葺きと呼ばれる方法で行った。1年経って茶色くなった屋根と新笹を葺くことによる緑緑しさによって、流木ハットに力強さが戻ったように感じた。

 今回の活動の中で、空間検討と屋根の部分補修によって流木ハット空間の可能性を感じることができた。今後も活動を通して既存空間の新たな可能性に目を向けながら、ビエンナーレに向けての準備を行っていきたい。

2022.09.21 修士2年 黒木一輝





published on September 20 ,2022

流木ハット ビエンナーレ準備WS 7日目

 「昨日の台風で流木ハットなくなったで」と船長のおっちゃん。しかし、台風前の流木ハットの姿と変わらなかったので、安心した。

 本日は沖島の島民の方の敷地提供の協力のもと、竹刈りを行った。また、ワークショップに参加してくれた元気な2年生の協力のもと、せん断していた掘立柱の取り換えも行った。 

 竹刈りを行った理由としては、明日以降に屋根の笹を追い葺きするため、そして掘立柱の取り換えの支えにするためである。竹の葉の部分である笹は屋根のための素材として使い、竹材の部分は作業における道具として使う、ということが面白いと感じる。また、昨年度の秋に笹の屋根葺きをしたのにも関わらず、笹は部分的には薄くなっているものの、おおよそ竣工当時のままであり、笹の葺き方の工夫による効果を実感した。掘立柱の取り換えについては、屋根を葺いている部分だったので、少し手こずったが、取り替えることができたので、良かった。また、後日、ハチの巣になっている掘立柱の取り換えも行いたい。

2022.09.20 学部4年 小林優希










published on September 19 ,2022

流木ハット ビエンナーレ準備WS 6日目

 本日は沖島RYUBOKU HUTにて、家具のモックアップを行った。RYUBOKU HUTの躯体を同じ言語で作る為、流木の掘建を脚とした机の制作を行った。流木掘建の野性的な立ち方を見ていると天板を分割させる必要があると感じ、2種類の舟板を割って高さの違う天板を設置した。天板を安定させるため為、流木と舟板を切り欠き加工を行った。また、流木が舟板(天板)を貫通して固定するような方法を模索中である。流木の野性的な形態に合わせた天板も加工は精度がなかなかでず課題ではあるが、もう少し時間をかけて接合部の取り合いのモックアップをしていくことが必要だと感じた。

 RYUBOKU HUTの空間から家具を思考していくと、これまでよりも空間の解像度が上がるように感じる。建築のスケール感、家具のスケ―ル感を肌で感じ取ることで、建築を超える沖島としてのスケール感を思考することができるように感じた。今後もWSを踏まえ、より小さな建築とより大きな建築を考えていきたい。

 また、明日・明後日は台風の為、対策を行った。モックアップ中の家具やRYUBOKU HUTに影響が出ないか不安ではあるが、無事に乗り越えてほしいと祈る。

2022.09.19 修士2年 黒木一輝




published on September 13 ,2022

流木ハット ビエンナーレ準備WS 5日目

9/13 9:00~17:00
参加者:黒木、小林、earnest、大野
記録者:小林
活動内容 ・草刈り ・家具スタディ

 流木や船板、竹を地面の接地面にすると腐れてきてしまうため、基礎は石が最適であるように感じた。また、それに伴って漬物石が必要になると考え、島民の方につけもの石を譲ってもらえないかうかがったが、島民の方は日常的ではないが、使用する機会は年に数回あるとのこと。今後も、ものの転用について考えていきたい。。
草刈りについては、内部は完了し、外部もほぼ完了、ボイドも完了したので、一旦一安心であるが、夏は草の成長がはやいので、また今後も草刈りが必要になりそうである。また、草刈りの時には、動線計画も加味してアプローチも取り組むべきであると感じた。

2022.09.13 学部4年 小林優希




































published on September 12 ,2022

流木ハット ビエンナーレ準備WS 4日目

9/12 9:00~16:00
参加者:小林(優)、葛谷、小林(愛)、earnest
記録者:小林
活動内容 ・草刈り ・家具スタディ

 せん断している掘立柱の取り替えも予定していたが、人数が足りず出来なかったので、後日 6 人以上集まる日に早急に取り替える必要がある。また、蜂の巣になっている掘立柱もあったので、掘立柱取り換えの対応方法を要検討する必要がある。
家具については、本日は、流木と船板を藁縄で結んだもの、流木をロープで接合したもの、流木を横向けにして彫刻したものを作成した。また、漬物石のみ、漬物石+船板、漬物石+竹を編んだもの、流木を輪切りにしたもの、流木を輪切りにしたもの+船板など組み合わせについても考えた。より少ない加工で家具をどう作ればよいか今後も検討を重ねていきたい。

2022.09.12 学部4年 小林優希


















































published on September 09 ,2022

流木ハット ビエンナーレ準備WS 3日目

9/9 12:00~17:00
参加者:黒木、小林、岡村、中川
記録者:小林
活動内容 ・躯体高さの計測 ・家具スタディ(竹椅子の修正、石と舟板の接合とやすりがけ※石集め含む、流木丸太) ・草刈り

 躯体高さについては、全体的に 200mm 程度落ちていて、特に大ドームが落ちていた。
竹椅子は、座ったときの荷重により座面の端が広がり、座面の隙間に挟まることがあったので、端をロープで編むことで解決につなげた。

 舟板椅子は、舟板を座面にするために、舟板をグラインダーでやすると、想像以上にきれいになった。ちなみに、舟板1枚の片面と側面をやするのには、2時間弱必要であった。この磨きの綺麗さを保つためには、透明の防腐剤などで加工する必要があるように感じた。

 また、掘立柱がせん断していたので、早急に6人程度集めて補修する必要がある。やはり、メンテナンスは非常に重要であると実感した。

2022.09.09 学部4年 小林優希
































published on September 08 ,2022

流木ハット ビエンナーレ準備WS 2日目

9/8 10:00~14:00
参加者:黒木、小林
記録者:小林
活動内容 ・躯体高さの計測 ・家具の 1/1 全体配置スタディ ・草刈り

 躯体高さを実測したところ、各ドームの最高高さが20cm弱下がっていた。前回、屋根を葺き終えてから実測した場所を確認したうえで、再測定する必要があると感じた。なお、今回実測した場所には、養生テープを貼った。

 家具については、漁業の金具は所有物の関係上使えないとのなので、倉庫の流木や、石、竹など流木ハット躯体と同じ素材で同じ作り方を検討していきたい。

2022.09.08 学部4年 小林優希















published on September 05 ,2022

流木ハット ビエンナーレ準備WS 1日目

9/5 9:00~16:00
参加者:小林、earnest
記録者:小林
活動内容 ・ビエンナーレ用写真の撮影 ・草刈り ・家具の素材の寸法調査

 今日は、コロナの影響により規制があったこともあり1か月ぶりに沖島に行った。 驚くほど草が生えていたため、本来は1日中家具のスタディをする予定であったが午前は草刈りを行った。倉庫には、草刈り機がコード式のものしかなかったため、老人会の方に草刈り機をお借りした。沖島の皆さんは非常に温かい人ばかりである。

 家具のデザインについては、沖島には廃材らしきものが多く存在しているため、それらをを使ったブリコラージュの家具を計画している。廃材らしきものも使って町ができているというのが沖島の面白さでもある。WSを通じて、島の方から廃材を収集した家具を制作予定である。

2022.09.05 学部4年 小林優希