滋賀県立大学環境科学部
環境生態学科
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田辺(細井)祥子(たなべ しょうこ)


役職 准教授
研究室 B3-302
最終学歴 京都大学大学院農学研究科博士後期課程修了(2003)
学位 博士(農学:2003年3月)
職歴

京都大学大学院農学研究科教務補佐員(2003年5月〜2004年3月)
滋賀県琵琶湖研究所非常勤研究員(2003年10月〜2004年3月)
日本学術振興会特別研究員(2004年4月〜2005年10月)
神戸大学内海域環境教育研究センター兼神戸大学海事科学部助教(2005年11月〜2012年8月)
滋賀県立大学環境科学部助教(2012年9月〜2014年8月)
滋賀県立大学環境科学部准教授(2014年9月〜 )

専門分野 環境微生物,分子微生物
所属学会 日本水産学会,マリンバイオテクノロジー学会,日本プランクトン学会
研究紹介

 海や湖といった水圏には、細菌やプランクトンなどの目に見えない小さな微生物が多数生息しています。これらの微生物のもつ素晴らしい能力や、生態系における役割について、分子生物学的な手法を用いた研究を行っています。また、近年は微生物に限らず,様々な水圏生物によって引き起こされる環境問題の現状把握と,それらの問題に対する解決法に関する研究も行っています。現在の研究テーマは、下記のようになっています。

1) 有毒•有害プランクトンによる赤潮およびアオコの発生機構解明(2005年〜2010年)
有毒・有害プランクトンの大規模な発生が,近年世界的な問題となっています。これらのプランクトンがどのような細胞内メカニズムで発生および消滅するのかを遺伝子発現解析により明らかにしました。

2) 超深海底堆積物における窒素循環に関与する細菌の多様性(2009年〜2011年)
サンプリングの困難さから,これまで超深海底における微生物の動態はごく一部しか明らかになっていませんでした。窒素循環に関与する細菌を遺伝子レベルで定量することにより,沖縄トラフにおける窒素の挙動を明らかにしました。

3) 水圏生物由来物質を用いた水処理技術の開発(2008年〜2012年)
船舶バラスト水処理技術の確立を目的とした研究を行い,ホタテ貝殻を高温焼却した物質により,水中の微生物除去が可能であることを明らかにしました。

4) クラゲ類の養殖魚介類の飼料としての有効利用の検討(2010年〜2014年)
日本沿岸域において大量発生し,漁業や工業に大きなダメージを与えているクラゲが,安価で利用価値の高い養殖貝類の餌として有効利用可能であることを明らかとしました。

5) 有毒•有害プランクトンの人為的要因による越境移動の検証(2005年以降)
日本に輸入される養殖稚魚に混在する有毒・有害プランクトンを同定するとともに,それらが日本沿岸域の環境におよぼす影響を明らかにしています。

6) 水田の琵琶湖におけるアオコ発生に関する寄与の検証(2014年以降)
琵琶湖集水域の田んぼが,琵琶湖のアオコ発生にどのような寄与をしているのかを明らかにしています。

7) 外来シジミの琵琶湖への侵入と固有種セタシジミへの影響の検証(2014年以降)
琵琶湖固有種セタシジミの保全を目的として,外来シジミの琵琶湖への侵入状況を遺伝マーカーにより明らかとするとともに,セタシジミに与える影響を検証しています。

8) 琵琶湖沖帯深層における底生魚の植生に関する基礎的研究(2014年以降)
メタゲノム解析により,イサザおよびヨコエビ等の琵琶湖深層に生息する生物がどのようなものを食べているのかを明らかにしています。

研究業績



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