生物資源管理学科

但見明俊

生物資源管理学科長

1.はじめに

一昨年11月に降って湧いたように決定した平成18年度法人化を睨んで、学科長としての雑用の多い一年であった。平成13年7月から続いた学部将来構想委員会からの提案が9月にまとめられた。この中で、本学科の将来構想は併案となっていた。すなわち、環境農学に特化すべきと、生物資源管理学に特化すべきとである。学部長からの依頼を受けて、学科内でも意見交換を続けた。前提条件を明確に提示しないままの議論なので、多様な意見が出た。今後は、答申を受けた学部長からの提案ついて検討を深めることになろう。しかし、私見では、いずれJABEEコース の設置を考えなければならず、そのためには本学科は理想的な状態にあると思う。

2.学生について

現3回生が、4回生になって分属する研究室を決める経緯は、結果の如何を問わず、担任の川地教授のやり方を評価したい。まず、2回目の希望調査を夏休み明けとしたこと、院生や4回生との懇談会を設けて話合いを深めたことは、担任としてなし得る最大限の配慮がなされたと思う。それでもなお、学生と教員の思惑の違いは残るが、あとは学科会議の出番である。今年度の新入生は59名で、定員より1人少ない結果となった。これは後期入試での辞退者が例年になく多かった結果であり、学科長としては悔いの残る結果である。入試に関しても学科での議論が深まった。まず、第3年次編入試験と外国人私費留学生特別選抜試験は問題なく終わった。いわゆる推薦入試は、例年、応募人数が定員の2倍に達しないので、上位と下位の学力が違い過ぎる。推薦入試では、入学しても卒業に至らなかった学生がかなりいることから、選び方も慎重にならざるを得ない。選抜の基準については今後も検討が必要である。

3.教員について

大学改革・法人化検討ワーキンググループに金木助教授(教育担当)、長谷川教授(研究担当)、富岡教授(財務担当)が参画した。レイクスペリオル大学における学生研修の引率を入江助手にお願いした。中嶋隆教授定年退職に伴なう後任人事は金木助教授の昇任で決着し、その後に助教授職の公募をはかることとした。岩間助手が米国カリフォルニア大学リバーサイド校で長期研修中である。日本学術振興会特別研究員の田中栄爾君を客員研究員として受入れた。6月に学科の自己点検・自己評価報告書をまとめた。学生による授業評価が前期と後期の全科目を対象に実施された。外部評価委員による評価が3月に行なわれる予定である。

4.国際交流

ナミビア大学農学部作物学科長Luke Kanyomeka 氏が来学してセミナーを行なった。このあと、ナミビア大学へは泉助手の訪問が予定されている。長谷川教授が湖南農業大学との学術交流のため中国を訪れた。1回生の亀田将史君が湖南師範大学との交換留学を希望している。

5.おわりに

公立大学協会農学部会(9月17日)を本学で開催したほか、全国農学系学部長会議(6月3−4日・東大 及び 10月21−22日・佐賀大)、同東海・近畿地区会議(10月8日・京大)に出席した。法人化まであと一年、次期学科長に期待するところ大である。