環境・建築デザイン専攻の1年

柴田いづみ

環境計画学科長

環境・建築デザイン専攻主任

●はじめに

平成16年度(2004年度)、独立行政法人発足2年前、開学10周年。一言でいえば、人事・一般研究費配分・授業担当変更など、「あわただしい年」でした。学科長・専攻主任会議としても通常業務を上回る会議と意見交換がなされています。

●学生動向

新入生       50人

退学者        1人

休学者        8人

現時点での学生総数216人

各学年数

1回生50人

2回生47人

3回生52人

4回生51人

5回生以上16人

●ED賞・EA賞

(大学院)

ED賞 角 真央

(学部)

EA賞 大西優子

優秀賞 矢倉明絵・森井雄太

●就職

3期生の南政弘君が、人間文化学部生活文化学科生活デザイン専攻の助手として、 4月から採用されました。南君はこの1年(2004年3月〜2005年2月)だけでも12のコンペにおいて、最優秀賞、優秀賞、入選をはたしています。

最優秀賞「あなたのリフォーム未来予想図」イラストコンテスト、大賞「ワイズプ リアデザイン大賞」、富山県総合デザインセンター賞TOYAMAデザイン・ラボ、デザイン大賞 かごしまデザインフェア2005デザインコンペティション企業課題部門、優秀賞「THE SUPER DRY ART 2004」、優秀賞「DYSON DESIGN AWARD 2004」他

●学生入選

公園施設学生設計競技2004(主催:株式会社ホクショウ)課題パブリックトイレ編 「和の風景」

入選:久郷晴哉「日の厠」

●人事

今年はどの学科・専攻も人事の移動が2・3人あり、環境・建築デザイン専攻では 杉元先生後任人事が2年間を空席のままストップして3年目を迎えていました。学部としての方針も立てられていないままの状態の中で、4月の最初の学科長・専攻主任会議において、福本先生の後任教授と杉元先生の後任講師の公募を宣言しました。理由は、ストップしていた期間においても、再三、県庁の担当者から方針をお聞きし、専攻の方針を伝えてあったという経緯があったからといえます。

4,5月の学科長・専攻主任会議は、各学科長・専攻主任が、「実数」か「定数」かという過去の数字に終始するのではなく、各学科・専攻の将来像に基づいて、独立行政法人化を目指しての構成と提示した構成人数とすることでは合意されていたはずでした。その時点では、今までの流れからは、実際の授業が滞るということがあるとしても、「定数」ということが主体で、むしろ「実数」が主流でない中でのスタートでした。しかし、夏を過ぎるころから、県庁との協議の中で、「実数」は認めるが「定数」は難しいと状況が変わってきました。

環境・建築デザイン専攻は、5月の教授会で選考委員会立ち上げが承認され、9月1日締め切りの日程で、ある意味で粛々と2つの公募がなされました。教授16名、講師32名の応募の中から、それぞれ1名ずつ、教授には京都大学助教授の布野修司氏が、講師には立命館大学講師の山本直彦氏が選考され、大学全体のシステムが変わる時期でもあり、今後の活躍を期待したいと思います。

●面接問題

面接の難しさを実感した事が起きました。面接官側では、発言しやすいようにという配慮での質問内容という意図でしたが、受験生としては、「思想・信条」に関る問題と受け止めての事でした。「趣味は読書」という答えに対して、作者や本の評価を聞いたことが問題となっています。専攻としての状況報告を作成し、該当する面接官の始末書で落ち着いたが、その後も教員会議での再三の注意があり、結果的に学長以下入学試験担当部署からの「たるんでいる」という印象を払拭することはできなかったという印象をもっています。今後、入試に対する問題点を検討し、再発の防止に勤めなければなりません。

●一般研究費配分

一般研究費配分に関しては、当該委員会からの原案ではなく、専攻独自の配分を提示することに決定しました。専攻としては、 長年の懸案であった為、平成15年度か らの傾斜配分を実施しているので、その配分方法を採用する事としました。しかし委員会か提示の職階ごとの傾斜を加えるかどうかはまだ未決定で、3月までに決定の予定です。また、ポイントの加算制ではなくて「教育・研究・地域貢献・学内貢献」の4項目を各項目50点として自己採点し、自己採点の根拠を「学部報」への原稿や委員会から提示の採点ポイントを参考に書き込んで提出すること、判断は学部長により、学科長または専攻主任が補佐し、当該教員へのヒアリン グもあることとしまた。

●講義内容の見直し

授業担当は、近年教員の退職・辞職に伴い新任の教員が増えたこともあり、全体を 独立法人化に向けて再検討することとなり、最終的には平成18年度から、可能なものは平成17年度から実行することとなりました。

●おわりに

2004年は、新潟県・兵庫県での水害や、史上まれに見る多くの台風上陸と夏の異常気象に重ねての中越地震と国内の災害に加え、年末には、スマトラ沖の大震災に巨 大津波と災害の多い年でした。環境科学部に属する「ものづくり」として、地球温暖化にも配慮、自然・都市の再生にも配慮した「ものづくり」の実践者を排出する専攻でありたいと思います。