編集後記

環境科学部年報の内容を本第8号より大幅にリニューアルしました。国内外を問わず大学や研究機関ではそれぞれの年報を定期的に刊行し、第三者にもそこでの活動がよくわかるようにしています。環境科学部年報の第1号は教員一人一人が「私の環境学」のテーマのもとに、新設された環境科学部をこれからどのように築いていくのかを寄稿した非常に意欲的な内容でありました。しかしながら、大学での教育と研究が進展するにつれて、その内容をより具体的に外部に発信する必要があります。第1号より受け継がれてきた「大テーマの下に教員が寄稿する」という編集方式では、学部の活動を外部へ十分に伝えるためには限界があると考えました。

 「環境」はこれからの人類が豊かにそして安全に生きていくための重要なキーワードであることは今後も変わらないでしょう。われわれの環境科学部が外部の人たちに何を発信しようとし、また外部からどのような評価を与えられるのか、情報の発信とその応答に有効なメディアとしての年報を作成していく必要があります。それをめざすために、今回のリニューアルにおいて2つの大きな改正を行いました。まず、「特集」は現在問題になっている環境にかかわる問題を大テーマとして設定し、それに対して関係する教員に原稿を依頼する方式に改めたことです。もう一つは教員の活動資料編を新設し、研究・教育、社会に対する活動を記録することにしたことです。これにより、教員の活動と外部とのコミュニケーションが大幅に広がることを期待します。

 滋賀県立大学も創設以来9年が経過し、本年4月からは大学院博士後期課程についても文部科学省の指定する固定期間から脱却して、より自主的な運営、ことに人事管理が求められることになります。一方、本年4月から国立大学は独立行政法人化され、滋賀県立大学でも2年後には法人化の予定で準備が進められています。このような大学の一大転機にあたって、リニューアルされた年報が学部・大学の発展に寄与するものになってほしいと願っています。年報の発展のために今後とも学内外からのアドバイスをお願いします。

 最後になりましたが年報の原稿作成に協力いただいた皆さんのご協力に感謝します。


学部の顔創り委員会

(委員長)長谷川博(委員)入江俊一、金谷健、後藤直成、轟慎一(五十音順)