生物資源管理学科この一年

学科の1年を振り返ってみて

生物資源管理学科長 

中嶋隆

1.はじめに

 このテーマで原稿を書いたのがつい最近のように思われるが、実際は1年前であった。1年が瞬く間に過ぎ去ってしまったのである。今年度は、教員人事の動きもなく、また大きな問題もなく平穏無事に来年度を迎えようとしている。しかし、学科運営において解決しなければならない細かい改善点はある。助手の実験室ならびに居室の確保、一般入学試験の科目の選定、4回生の卒業研究配属数のバランス化などがあるが、学部改革の目玉である学部再編が、もし実現すれば、これらも一気に解決するに違いない。ともかく、1年を振りかえってみる。

2.入学試験に見られる特徴

 生物資源管理学科の入学定員は、60名である。そのうち、一般選抜試験として前期日程30名、後期日程18名が募集人員となっている。特別選抜として、推薦入学試験な募集人員が12名で、その他、帰国子女、中国引揚者等子女、私費外国人留学生がそれぞれ若干名となっている。平成14年度一般入学試験前期日程と後期日程を合わせた生物資源管理学科への志願者数は407人と、大学入試センター試験導入後最も多くなった。過去7年間は、200〜260人で推移していたが、約150入も多くなった。理由についてはいろいろ考えられだろうが、「環境と調和した生物資源生産と管理を学ぶ」という学科の理念が、全国的に定着してきたのであれば、こんなにうれしいことはない。

また、今年度はじめて私費留学生特別選抜試験への受験生が2名あり、ともに合格となった。今年から留学生の出願資格が緩和された結果であろう。2名とも中国からで、1名は内モンゴル出身、もう1名は湖南省出身である。この4月から、他の入学生とともに4年間を過ごすことになるが、我々としては心配とともに期待もあり、精一杯教育していきたいものである。

また、今年度も9月に実施された編入学試験では出願者8名の内3人が合格し、この4月から3回生として新たに加わることとなった。

3.卒業生の進路

 毎年、約60名の学部生が巣立っていく。今年度の卒業生の進路を、1月末現在で調べてみた。大学院進学が14名で、昨年より3名少ない。公務員は2名で、3名少ない。民間企業へは26名で、12名多い。未定者は8名で、昨年よりは6名少ない。また、農業自営者が1名、青年海外協力隊へ1名となっている。今年の就職状況は、相変わらずいまの社会情勢を反映して厳しいが、昨年度に比べて少しはましかもしれない。

4.対外的交流

 平成14年6月に滋賀県立大学と中国湖南師範大学および中国湖南農業大学との友好協定が締結した。平成13年の5月に、小池学部長と安居事務局次長と中嶋が湖南省へ出向き、このことについて下打ち合わせをしたことと、加えて国際交流への予算化が実現したことによるものであろう。早速、12月には湖南農業大学から2名の教授の訪問があった。対湖南農業大学となれば、やはり生物資源管理学科が窓口ということもあって、特別セミナーの開催、2名の教授と同じくする専門分野(農業経済系、土壌学)の教員との個別交流、農業の現場視察など、有意義な交流がなされた。

その他在外研修では、矢部教授と岩間助手が8月〜9月に中国へ「半乾燥・乾燥地における土地利用調査」、川地教授が8月にブラジルへ「環境地盤工学国際会議」、西尾助教授と上町助手が8月にカナダへ「国際園芸学会」、小谷助教授が8月〜9月にトルコへ「乾燥地域の農業生産システムに及ぼす地球温暖化の影響に関する現地調査」、秋田教授が9月に中国へ「国際イネ会議および国際イネ研究理事会」、秋田教授が10月にフィリッピンへ「論博研究者の研究指導」、岩間助手が2月と3月にタイへ「農業生産性評価のための土地生産力調査」などで、国際会議への出席や調査研究に出掛けられた。


5.おわりに

この3月をもって学科長を降りるにあたり、学科の運営に対して、ご協力とご指導をいただいた先生方に心からお礼を申し上げます。