環境サークルKでの一年

村上 奈央子

環境生態学科2回生

4月からの1年間私個人としては代表という形でこのサークルに関わってきた。様々なことを体験し,色んな人と出会うことができた。大学の中だけでは分からないことを少しずつでもみることができたことは,私にとってもメンバーにとっても実りの多い一年であったと思う。環境サークルKでは,個人が興味を持ったことを他のメンバーの協力を得て実現させていくという方法をとっているが、これまであまり知らなかった事も他のメンバーに協力する中で知っていくことができるのが良いところだ。それでは今年一年間の主な活動をさせてもらおうと思う。

1、「子供自然観察塾」

 彦根南ロータリークラブの25周年記念事業としてサークルKが運営を行った。

2002年10月から2003年4月までの全5回,小学5年生50人程度を対象に「水はみんなの宝物」というテーマで犬上川ダムに行ったり,ヨシ細工をしたり、荒神山登山などを行った。私達にとってこれほど大規模で連続したものは初めてで、サークルメンバーだけでなく生態学科の先生方や地域の方々の協力を得て,環境問題に敏感な滋賀県湖東地域の子供達と共に現地に出かけ、自分の目で見て,体で感じてもらおうとメンバー一同頑張った活動であったと思う。今回の観察塾ではあえて正解を示さずに,子供達自身が何を選択していくのかということを考えてもらう形をとった。子供達の中には私達より物知りな子供達もいて,私達にとってもよい刺激になった。

 また,この活動は他の団体と合同で行ったのでお互いの主張や意思の疎通,連絡事項の伝達など,地域に根ざした活動を目指す環境サークルとして学ばせていただいた点も大きかった。


2、ヨシ舟,ヨシ炭、ヨシ細工

この活動は主にサークルメンバーの尾崎君(生態・2回)たちが中心になって行った活動です。現在、ヨシ原減少も問題になっていますが、ヨシを水質浄化に役立てる為にはヨシを毎年刈り取らなければなりませんが、刈り取ったヨシをどのように利用していくかが問題です。尾崎君たちは近江八幡の西川先生の元で,「世界水フオーラム」等とのつながりで夏休みにヨシで舟を作りました。実際に琵琶湖で漕げる立派な舟ができましたし、このプロジェクトは他の大学の方も参加されていたので友達がたくさんできました。この他にもヨシ紙をすいたり、ヨシのパルプで粘土を作ったり…。

2003年1月には高取山でヨシ炭を焼き始めました。ヨシ炭にはどんな効果があるのか,今後調べていこうと思います。ヨシ細工はやればやるほど面白く,メンバーもだいぶ上達してきました。自然観察塾や学校の総合学習の時間に子供達がヨシ細工をすることもありますが,みんな集中してやってくれます。中には時間が来ても辞めない子供もいます。市そんな子供達の顔を見ているとやってよかったと思います。環境問題というと難しいイメージがありますが,ヨシは手軽で私たちも楽しめる,素晴らしい素材です。11月の湖風祭ではサークルの模擬店の内装をヨシ細工でしましたが好評でした。


・湖風祭の模擬店の内装.全部ヨシを使いました。


3、自然観察会,総合学習

彦根市内の小学校や中学校からの総合学習の講師の依頼を受けてやっています。

今年は主に自然環境についての依頼が多かったです。これらの中には先輩達からの引継ぎでやっているものも多く、あらためて学生と地域とのつながりが密な大学だと感じました。

城陽の民生委員さんからの依頼で行った犬上川周辺の観察会では、ハリヨを見つけることができ,子供達だけでなく、お父さんやお母さんも驚いてくれました。すぐ近くに住んでいても知らないことがたくさんありますがそれを少しでも知るお手伝いができたらいいなと思っています。

また、新しい事を学んで生き生きした子供達を見ていると自分たちも頑張って学ばなければと思います。


水族館 カワウの調査

まとめ

以上書いた以外にもメンバー各個人たくさんの活動を行いました。私個人の活動としては湖風祭で水族館を作ったり,他の市民活動を行っている地域の方との交流、竹生島でのカワウの調査などにでかけました。一年間、こういった活動を行っているサークルの代表をできたということはとてもいい経験でしたし大学で授業に出ていただけではわからないことをたくさん吸収することができました。大変な事も色々ありましたが,やりがいがありましたし、協力してくれるメンバーや,先生方のおかげで活動の幅を広げることができました。

環境問題は一人の力で解決することはできません。環境を学んでいる学生は他の人に知識を伝え、できることから実践していってもらわなければ環境を改善していくことは難しくなってしまいます。たくさんの人達の力や,子供達,地域の人など人々の輪を広げる事が大切なのだと感じました。今後はこれまで以上に大学や学校,地域での環境問題に対する取組みが盛んになると思います。

この大学にはそういう活動ができる空気がありますし,地域の方々もすごく力になって下さいます。これからは、この流れを途切れさせないように、誰か一人だけが大変になることのない役割分担が必要になってくるとおもいます。そのためにはよりたくさんの学生が参加できる体制作りをやってきたいと思います。環境サークルKは学生,先生,地域のパイプ役としてこれからも積極的に色々な所と関わっていきたいと思います。