私の2002年

環境計画学科 環境・建築デザイン専攻

建築計画大講座

水原渉

1)研究活動

 主要な研究は、昨年と同様にドイツの都市計画制度に関するもので、特に環境問題(自然環境保全)との関連でどのように強化されてきているかについて、都市計画の計画原則や衡量手続きなどの視点から経年的に調べ、その背景なども探っていった。これは、都市計画の現実転換の手法である土地利用計画図や地区詳細計画図を自治体が自己の計画主権の基で作成している点と密接に関係している。また、これまでに収集してきた地区詳細計画図をもとに、その実際を掘り下げていった。また、日本の開発許可制度に当たる規則がドイツでどのように運用されているかについて調べている。日本の都市計画制度も2000年の大改正を受けて、施行、実施段階にあるが、これを通して将来のあるべき制度の姿は中々見通しにくい。

2)教育活動

 本年度は「空間計画論」の3年目である。空間論、計画論、空間計画論という内容である。教材は自分の作成したプリントを用い、これを基に講義形式で進めている。目的は、実空間の理解を深め、これからの空間観を得ること、階層的な空間計画のあり方を知ることなどである。抽象的概念を用いる中で、空間論と計画論を結びつける点が難しい点である。スライドも多く用い、実感的な理解が進むように図っているが、なかなか学生の関心を引きつける点で簡単ではない。

 本年度から大学院の「土地利用計画」を開始した。「地域空間計画学」と同様に幾つかの領域の院生が受講届けを出しているので、それぞれが関心を持って参加できるように講義形式と各自のテーマ設定による小研究発表を行っているが、議論では積極性が余り感じられない。

3)主な社会的活動

 本年度も、地域活動をテーマにした活動、住宅関係のネットワーク構築の作業(進行中)と関われて、自分にとって刺激的な経験をしている。また、都市計画委員会の専門委員の経験も色々と意見が言えて良かったと思う。

 行政関連などの委員会、団体の関係では主なものとして次の様な仕事を行っている。(1)滋賀県開発審査会委員、(2)彦根市建築審査会会長、(3)滋賀県建築士審査会会長、(4)大津市開発審査会会長、(5)滋賀自治体問題研究所理事長など。