私のこの一年

生物資源管理学科

生物資源循環大講座

増田佳昭

【主な研究教育活動】

 今年は,雪印食品の偽装表示事件にはじまって,相次ぐ食品と農産物の虚偽表示,中国野菜からの残留農薬の検出,国内産地での無登録農薬使用等々,食品の安全と表示に社会的関心が集まった.研究幹事をつとめる「くらしと協同の研究所」でも,コーディネータ役を担当して,総会記念シンポジウム(6月)でこの問題を取り上げた.

 6月には,大学関係者,行政関係者,農業団体関係者,農業者等で構成する農業濁水問題研究会を発足させた.これは,農業濁水問題に象徴される琵琶湖への農業による負荷を軽減し,琵琶湖に負荷をかけない環境保全型農業のあり方を検討しようというものである.おりしも滋賀県農政は「環境こだわり農業」に方向転換しつつあり,関係者が幅広く集う研究会への期待は大きいものと考える.同研究会は,県立大学環境科学部,滋賀県湖東地域振興局の共催を得て,12月にシンポジウムを開催した.シンポジウムには秋田県立大学の佐藤了氏を招き,大潟村の環境創造型農業について講演いただいた.

 また,農業濁水問題については,9月に札幌で開かれた環境経済・政策学会でも報告を行った.

【論文その他】

増田佳昭「営農事業をどう強化するのか」,農業と経済・臨時増刊号,2002年4月,49〜59頁.

増田佳昭「段階制再編成の到達点と課題」,農村と都市をむすぶ2002年5月号,24〜37頁.

増田佳昭「宇曽川の平均透視度25cm達成のために」,滋賀県立大学環境科学部年報第6号,2002年3月,47〜49頁.