野菜作りサークル県大畑

額田 拓

環境社会計画2回生 副部長

野菜作りサークル「県大畑」は、今年度発足したサークルです。私達は、学園通りと神社との間にある八坂町の農家にお借りした休耕田で野菜を作っています。そもそも今年度のサークル発足のきっかけとなる「県大の学生で野菜を作ろう」という試みは、人間文化学部の黒田先生の呼びかけで昨年度始まりました。先生の呼びかけで集まった初年度のメンバーは、環境社会計画専攻の当時1回生の十数人でした。「野菜作りを実地に学ぶ」ということはもちろんのことながら、『近くで採れた安全な食べ物を生協の食堂に納入し、少しでも「地産地消」を実現に近づける』ということも当初の目的のひとつでした。1年目は、生協に野菜を納入するということはほとんどできなかったものの、畑自体の面積が小さく、人数も少なかったことから畑の活動自体はあまり問題もなくすぎました。

 そして、2年目に当たる今年度は正式にサークル化し、名前を「県大畑」と決め、新しいスタートを切ることとなりました。そこで、畑の面積を拡大し、年度の始めからポスターで新入部員を募ったところ、看護短期大学部を含むいろいろな学部から30名ほどがサークルに入ってくれました。しかし、実際に活動を始めると、人数が多いことから昨年のようにはいかず、サークルとしての運営がうまくいかなくなりました。

前期は、曜日分けの朝の当番制をしいて日々の手入れをしたのですが、日が経つにつれてまじめに当番に来る人は一部の人だけに限られるようになってしまいました。サークル全員で1つの畑に作付けしていることから何をしていいのかわからなかったり、個人の責任が薄れたりする事が主な原因だと考えられます。また、食堂への納入については、夏野菜ではミニトマトやシシトウ、ナスなどを納めましたが、売れ行きはいまひとつでした。

そして、後期に入ると畑に来てもあまり仕事が無いことや、寒さから当番制がほとんど回らなくなっていきました。また、そういった活動がしっかりできていない分、鍋パーティーなどのイベントを開いてもほとんど人が集まらなくなってしまいました。さらに、作物の方も葉物が小動物に食べられてしまい、収穫がほとんどできない状況になってしまいました。

今振り返ってみると今年度は、「畑」を「サークル」として運営することの難しさを思い知らされた一年でした。部員が多かったことから、部長と副部長でほとんどのことを決めてしまうトップダウン型の運営を免れず、普段の活動では全員が集まる機会が少ないことから、横の繋がりが出来にくくサークル活動としては部員もあまり楽しくなかったのではないかと思います。

正直なところ、今年度の運営がうまくいかなかった理由は今のところ明確には見えてきません。よって、これからの運営をどのようにするかという事もまだ模索している状態です。しかし、メンバー一人一人が主体的に参加できるようなサークルになることを目指し、まず、サークルの土台を固めなければならないことは確かだと思います。また、しっかりした作物が作れるようになること、そして、サークル内で作った野菜をうまく消費できるようになることまでを第一の目標としたいと考えます。

農業と環境の関わりや、食の安全性、自給率が問題となっている現代の社会状況を考えると、このサークルはそういった問題にアプローチできる可能性を持っていると思います。今年度はそのような視点からの具体的な活動はできませんでした。しかし、来年度はそのような視点から、地域の活動や、学内の他の活動とも関わっていけるようにし、サークル活動をより充実したものにしたいと考えています。


ジャガイモ掘り