環境・建築デザイン専攻この一年

環境・建築デザイン専攻の1年を振りかえって





■ 林 昭 男

 2001年の活動の主流は「エコ村」構想に関するものであった。韓国・慶州近郊での高齢者向けのコミュニティ計画は、韓国側の事情で中断している。滋賀県の企画で「なぎさエコライフ21」のイベント(7月20日〜8月19日)に協力するためのプロジェクトとして「エコ村」のモデル(エコライフを営むおよそ300戸のコミュニティ計画)をつくり展示。また、新エネルギービジョン策定委員会(米原町・新旭町)、美しいまちづくり条令策定委員会・統合幼稚園建築プロポーザル審査(山東町)など滋賀県の自治体への協力が続いた。

 JIA(日本建築家協会)大会(金沢・10月)のヤングアーキテクト・ワークショップの講師、JIA環境建築賞の審査委員長として審査にあたる。また、関西の6大学が参加している奈良県・川上村・木匠塾(8月)の塾頭としての役割を果した。

 学内では、設計演習II(課題・幼稚園)の指導に横川隆一氏(元日建設計)が参加され、実務的かつ几帳面なアドバイスを受け、充実した課題指導ができた。設計教育においては、外部の建築家の協力が必要であると痛感している。




内 井 昭 蔵

教育:大学院・生活空間計画学の課題は昨年に続き学生寮をテーマとし、個とは何か、共有空間とは、公共空間とはといった線をどこに引くかを議論し制作をした。その結果は小冊子にまとめられる。大学院・環境造形論はテーマを大気、大地、水といった生態系の基盤を選び、それをテーマとした造形をまとめることにした。私は大気をいかに視覚化するかをテーマとした具体的には外壁タイルによる湿度を表現することを課題とし、モデル作成までに行うことにした。学部・環境造形は1weekづつ区切りのあるテーマで講義をし、学部・環境職能論は特に建築倫理、建築設計の本質を中心に具体例を中心に講義した。

研究:コミュニティ再生をかけ、磯地区(米原町)の宿親制度の研究を継続している。又、彦根市市場通り、通称大正村の景観調整を行っている。

創作:近江八幡の環境工房アトリエの設計をし、工事の完成をみた。急な斜面で琵琶湖を一望する絶好の場所である。ここに木造による建築を建てた。やがて環境ゼミ、ボランティア活動の中心拠点となる。犬山市健康館の計画設計、実施が完了、オープンした福祉と医療との総合施設の新しいあり方を追求、併せて犬山市の再構築を提案。

対外活動:多くの建築計画のプロポーザル審査委員長を務める。京都市明日の鴨川の橋を考える会会長として都市河川と橋梁のあり方を追求、シンポジウム、講演会を行った。京都和風迎賓館の委員会、什器備品委員会、新宮殿保守の委員長など歴任、第13回AACA景観シンポジウム「森と景観」を高山で開催、コーディネーターを務める。磯地区まちづくり、筑摩地区まちづくり、彦根都市景観委員会に参加。




藤 原 悌 三

 2000年10月の鳥取県西部地震の分析に明け暮れた1年でした。この成果と彦根の安全性について研究室の学生が学会に発表してくれた論文は以下の通りです。#松波孝治・岡本祐果・森井雄史・藤原悌三:日野町下榎地区のサイト増幅特性 2000年鳥取県西部地震調査報告(その1)、#岡本・森井・松波・藤原:日野町下榎地区における木造建物の動特性と被害分布 2000年鳥取県西部地震調査報告(その2)、以上日本建築学会大会梗概集、2001.9  #藤原・松波・森井・岡本:日野町下榎地区の木造被害、「2000鳥取県西部地震・2001芸予地震災害調査報告」、日本建築学会、2001.11  日本建築学会、#岡本・森井・松波・藤原:日野町下榎地区における木造建物の被害と動特性、#森井・岡本・松波・藤原:日野町下榎地区における観測記録に基づく本震推定、以上自然災害学会論文集、 2001.10  Fujiwara T., Fukumoto K., Matsunami K.,Kobayashi M. and Morii T.: Estimation of Seismic Hazard in Hikone City based on Observation Network Data from Shiga Prefecture, Japan, Journal of Natural Disaster Science, 2001.4  #森井・岡本・松波・藤原:2000年鳥取県西部地震による下榎地区の強震動推定と地震被害、第1回日本地震工学研究発表・討論会、

2001.11

 博士後期課程の陶器浩一君が「人間環境と構造技術のかかわりに関する研究」の博士論文を纏めています。順調に進めば今年3月に滋賀県立大学博士(環境科学)第1号?が誕生する予定です。




柴 田 いづみ

 4月にACT+Q座で、豊田勇造さんを招き「インド西部大地震チャリティコンサート」を開いた。収益金は「国境無き医師団」に寄付をして、被災者への医療救済に使っていただく事とした。9月11日の同時多発テロとその後のアフガニスタン空爆と悲惨な現実に、難民の数も多くなり、秋の学生ライブと竹本マリのライブにおいても、寄付をつのった。

 豊田勇造さんのライブの直前に地元の喫茶店で出火。喫茶店は全焼、隣家にも被害があったというニュースが届いた。そこで、今回は、ACTに入るはずの金額とACT顧問達の寄付をまとめて、出火元の方に「お見舞い金」をお届けした。これは、ライブが地球規模と地元の両方に役だったわけで、企画者としても嬉しい事であった。

 ACTのメンバーがBBPC(本文参照)において最優秀賞をいただいたのも、嬉しい出来事であった。

 ベンチプロジェクト(本文参照)では、八日市市の川辺いきものの森にあるネイチャーセンターで合宿を行った。8月の真夏であったが、間伐材や廃棄木材の収集を行い、機具の使い方を能登川町の家具作家の出口かおるさんに指導をしていただいた。かんなくずまでも発電として有効に使うことにした。色々な連携が、新しい可能性を生み出していった。

 津田内湖復元(再生・創造)については、滋賀・ミシガン共同シンポジウムでのパネル発表と、環境ビジネスメッセにおいては、環境FWの代表として展示をした。FWの説明も含めてビデオの作成をした。

 高宮 駅は、現場が始まり、設計が彦根市側で変更になっているが、現場の段階でより良くする為に、3回生ゼミの学生達と計画を進めた。

 ネイチャーセンターでは、環境学習の場としての有効活用を考える為に、1km程離れたところに、近江鉄道駅を作る委員会を発足させた。これは、エコ・ステーションと名付けられたが、その形態構想はゼミ設計として、柴田ゼミ生が提案をした。




水 原  渉

1)研究活動

 現在はドイツの都市計画制度について、特に環境問題との関連でどのように変化してきているかについて、また、日本の開発許可制度との関連で、それがドイツでどのように運用されているかについて調べている。日本の都市計画制度も一昨年に大きな改正があるなど徐々に変わってきている。両国あるいは英国などの制度を比較する中で、あるべき方向がより明確にできることを期待している。  地域計画と環境保全課題などとの関連で、自分の編著になる出版を企画しているが、編集方針などの関係で少しもたついている。2002年度の早い時期に片をつけたいと考えている。

2)その他の研究・教育活動

(1)海外調査:

 8月末から9月半ばにかけて短期の渡欧を行った。ドイツでのアーヘン、ケルン、ゴスラー、ハンブルク、オランダのマーストリヒトなどコンパクトな都市や歴史都市の構造を捉える調査を行った。今回は大学院生と途中で合流して、一緒に調査したのが自分として初めての経験であり、貴重な体験をしたと考えている。

(2)授業

 本年度は学部新カリキュラムの「空間計画論」(後期)の講義の2年目である。内容は、空間論、計画論、空間計画論という様な構想で進めていった。学生の評判は「面白い」部分もあるが「難しい」とのこと。「難しいこと」を、「難しいが面白い」と受止めていて欲しいが・・・・。大学院の授業の「地域空間計画論」は本年は単独で行った。これは大半をゼミ形式の形態にしたが、もう少し議論が活発になるようにしたい。

3)主な学内活動

 大学院教務委員、学部4回生担任、就職委員、

4)主な社会的活動

 本年度は、地域の環境問題と教育や地域活動をテーマにした集会などで話をする機会が与えられ、自分としても非常に刺激的な経験をした。

 行政関連などの委員会、団体の関係では主なものとして次の様な仕事を行っている。(1)滋賀県開発審査会委員、(2)滋賀県住宅政策懇話会委員、(3)彦根市建築審査会会長、(4)滋賀県建築士審査会会長、(5)大津市開発審査会会長、(6)滋賀自治体問題研究所理事長




福 本 和 正

内外のめまぐるしい変動をフォローするのに、忙しい1年であった。それにしても、自分の目的のためには、人の命も人権も無視した行動が目立って来た。比較的近辺でも、似たような事が起こっている。利害の渦中にある人が、自分に都合の良いように、第3者の言動を、勝手に補足・改ざんするということがあること、したがって、自分の言動の行く末には注意していなければならないことを痛感した。

この1年に学会、シンポジウムで発表した研究成果を、以下に列挙する。

1) 小林・藤原・福本他3名:日野町下榎地区木造住宅の動特性と被害率――平成12年鳥取県西部地震調査報告(2)――、日本建築学会中国支部研究報告集、第24, 367-370.

2) 福本・中野・塩見:境港志竹内工業団地の液状化調査――平成12年鳥取県西部地震調査報告(3)――、日本建築学会中国支部研究報告集、第24, 375-378.

3) 福本・中野・塩見:伝統木造建築物のコンピュータによる加力試験、日本建築学会近畿支部研究報告集、第41号, 構造系377-380.

4) 福本・中野:「平成12年鳥取県西部地震」での一工業団地内液状化跡地の初動調査、日本建築学会2001年度大会(関東)学術講演梗概集、構造I, 645-646.

5) 中野・福本:伝統木造建築物のコンピュータによる水平加力試験、日本建築学会2001年度大会(関東)学術講演梗概集、構造?, 175-176.

6) K.Fukumoto : Dynamic Characteristics and Horizontal Strengths of A Conventional Thatched Wooden Houses with Four Rooms, Partitioned Only by Sliding Doors, Proceedings of the TENTH INTERNATYIONAL CONFERENCE ON SOIL DYNAMICS AND EARTHQUAKE ENGINEERING, October 2001.

7) K.Fukumoto : Continuous Investigation of Amplification of Sedimentary Layers and Estimation of Their Structures in Shiga Prefecture, Japan, Proceedings of the TENTH INTERNATYIONAL CONFERENCE ON SOIL DYNAMICS AND EARTHQUAKE ENGINEERING, October 2001.




三 谷  徹

 社会活動:建築士会近畿支部建築作品審査委員、滋賀県都市計画審議会委員、彦根市市民病院跡地諮問委員、建築学会近畿支部学生設計競技審査委員、  設計活動:南港ドコモ基本設計実施設計完了、西梅田U2プロジェクト実施設計完了、下丸子集合住宅実施設計完了、テレビ朝日屋上庭園監理開始、福井県立図書館監理開始、汐留C街区ランドスケープ監理監修、

 執筆活動:"studio on site-Hiroki Hasegawa+ Toru Mitani," 'I nuovi paesaggi,' Lotus n avigator, april 2001, 「ピーターウォーカー論-変幻と規律の対立と重合」,谷口吉生「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館・図書館」,エスキス04,彰国社,2001、「脱工業の風景美学」,「ランドスケープ批評宣言」,INAX出版,2002

 展覧会等:Designed Landscape Forum 3 出品、ランドスケープ6大学展滋賀県立大学担当、RIBA-From Modernism to MA展出展、台北総統府広場国際設計指名コンペ参加、Chicago: Millennium Park Design 指名コンペ参加、

 講演等:慶応大学環境情報学科特別講議、 明治大学連続セミナー環境の解釈学Phillippe Nys教授と対談、武蔵野美術大学建築学科特別講議、

 などこの一年、いろいろなことをやりすぎたきらいがあります。来年度は本来の設計に専念すべきと反省しています。




松 岡  拓公雄

 今年の授業、設計演習課題以外の活動記録として、学外活動としては通年でJIA建築家資格制度実務訓練委員会委員、一級建築士試験実技問題作成委員。日本建築学会司法支援委員を勤める。札幌市主催の「札幌の緑のまちづくり」にて講演会、国士舘大学にてスーパージュリィ、京都造形芸術大学ゲストクリニック、福岡大学ゲストクリニック、滋賀県建築士指定講習会講師。研究室に全学年を通した縦ゼミを実験的に構成、「ちーむはっけい」活動(学生活動報告参照)の他に「ソウギョバスターズ」(学生活動報告参照)「京都CDL・コミュニティデザインリーグ」に参加。京都CDLでは昨年、県立大学生の報告が優秀賞を受賞。ゼミ活動として徳島県美郷村三大学合同石垣ライトアップイベント、竹研究会で静岡県竹博物館視察、デンマーク・モンズクリントコンペ参加、個人では島建築文化研究の下調査で南大東島へ2度視察。今年の水系視察は九州柳川へ。ポルトガルへ建築家のアルバーシザの建築作品の足跡を追って海外研修12日間、9月11日には建築視察でニューヨークへ向かうがアメリカ上空でテロ事件の影響でカナダに強制着陸9日後に難民状態で帰国。実践面として研究対象として関わってきた南大東島ビジターセンター竣工(沖縄県)。銀座フォルモッサビル起工(東京港区)、 セルリアンタワー金田中草、および竣工(東京渋谷区)、桜美林大学ステーションキャンパスデザインコンペ優勝、加茂町銅鐸ビジターセンター着工。洞爺ウィンザーホテル・チャペル、ホテルマン養成学校着工(北海道洞爺)、救世新教光明殿神座天蓋着工(三重県津市)、美竹町集合住宅(150戸)竣工(東京渋谷区)、神楽坂集合住宅着工。益子町給食センター着工、東急本社陸橋(東京渋谷区)等。埼玉県戸田小学校コンペ参加、渋谷歩道橋がグッドデザイン賞、その他研究室にて院生とゼミ生で中間領域を研究テーマに住宅設計を3題(福岡は竣工・大阪と兵庫は設計中)実践。




杉 元 葉 子

□「声文‐耳をすまして」

 近江八幡市中心市街地活性化基本計画策定委員会のワーキンググループとして、ゼミの学生を中心にフィールド調査と実験イヴェント「声文‐耳をすまして」を行なった。その間、まちづくりとは何か、空間をつくる立場として私達に何ができるのか、どのように関わればいいのか、まちの人達に伝えたいことは何か、学生たちと連日重ねた議論は2冊の冊子「声文集」と「まちづくりへの提言」となってまちの人達の手に渡った。学生ならではの視点を、机上の議論ではなく日々現実を生きているまちの人々に届く形に鍛え上げようと彼らと悪戦苦闘した過程は、私自身の視野を開いてくれる貴重な時間でもあった。

□大学最後の年

 設計事務所勤務を経て、少し落ち着いて勉強したいと思って本学に職を得て以来、学生達といい時間を過ごすことができた。一方で、私が大学で得るもの、私が学生達に与え得るものが、新しい展開を期待するには手詰まりの段階に至っている感触があった。私生活上の契機もあって退職を決意することが出来た。

□先日久しぶりに「星の王子様」を手に取った。「人間の土地」等サン=テグジュペリの一連の作品と共に私の長年の友であった本である。人生で大切なことは何か、王子様は問いかけ続ける。サン=テグジュペリが問い続ける。

 王子様に出会った飛行士は、飲みこんだゾウをこなしているウワバミの絵が帽子にしか見えないおとな達には、「ブリッジ遊びや、ゴルフや、政治や、ネクタイの話をした」。私は、自分の視線が日常の惰性を持ってしまうことに抵抗したい、驚き続けたいと思ってきた。人は知らず知らずに惰性に頼ってしまうが、身を庇ってくれる社会的地位も、固定観念も慣習も通用しないところで、なお揺るぎなく保っていられる自分だけが、本当になくしてはいけない自分なのだろうと思う。

 人間として生きるためにサン・テグジュペリに大空が必要であったように、私は今新しい空気に自分をさらしたい。新しい日々に踏み込む決心をし得たことを、今少しだけ年を取ってしまった私はとてもうれしく思っている。

…感謝の気持ちをこめて。




伊 丹  清

 研究 開口部遮熱計算法研究委員会(社.リビングアメニティ協会)が、昨年度末よりスタート。すでに公表している壁体(開口部も可)の断熱性能(熱貫流率)を求めるプログラムに、日射遮蔽性能を評価する機能を追加する。同時にこの計算に用いるモデルの入力データ作成に関して、簡便化のアイデアや使いやすくする修正の機会を得た。アルミ フレームやブラインド スラットの赤外域も含めた分光反射特性の実測がなされ資料化される等々、企業の壁を越えた取り組みがなされ、有意な成果が期待される委員会である。3WGのひとつの主査を担当。今年度の成果は中間報告としてまとめ、公表される予定。

 教育 新カリキュラム3年目となり、新しいことが多い1年だった。設計演習が本来の担当である住宅に異動。街並みの視点も加えた盛りだくさんの内容で、住宅は指導もやはり難しい。当方の専門に関する講義と実験のペアが名称も新たに前期に移動。同講義内で扱っていた建築設備は非常勤講師の授業として独立、後期に鈴木芳光先生(株.設備技研代表)にご担当いただく。彦根市立病院の工事現場見学も盛り込んでいただいた。建築環境工学・建築設備の分野の教育が一躍充実することになった。大学院の「建築技術特論」が新規スタート。藤原・松岡両先生、院生とのインタラクティブな授業で新しい刺激を多く受ける。今年度は見学の機会も多かった。藤原研究室博士課程院生の陶器氏(株.日建設計)の存在も大きく、彼の関わった作品にも多く接することができた。一方、ゼミやFWにおいて長期・長時間の実測結果を活用することも軌道に乗ってきた。

 活動 本学交流センター主催の公開セミナーの講師を11月に担当。テーマは「次世代省エネルギー基準と住まいの性能」。3月には 社)滋賀県建築士会主催の「建築士のための指定講習会」の「室内環境」を担当。財)ベターリビングの窓系部品の断熱性能に関する評価員を次年度から受ける準備もあった。




迫 田 正 美

 今年度は数年来続けてきた仕事の幾つかが漸くまとめの段階に入った。地域研究では赤野井湾集水域の集落空間の変遷史的研究として、守山市木浜を取り上げ(「琵琶湖湖辺域の集落空間構造の変容過程 ― 守山市木浜集落の空間構造 ―」)、草津市志那、湖北町尾上との比較をしながら、琵琶湖総合開発等による湖辺集落の空間変容についても今年度中にまとめる予定である。モンゴル国ウランバートルの近代建築とスフバートル広場の成立過程についての研究では、京都大学との共同研究も立ち上げることになり、ロシア語とモンゴル語の壁に苦労したものの、なんとか目鼻が立ちそうである。数年来の懸案となっていたル・コルビュジエのエンサイクロペディアの翻訳作業が漸く日の目を見ようとしている。地域との関連では、昨年までに彦根市環境審議会環境行動計画策定部会でまとめた地域行動計画の実施状況を評価する目的で立ち上げられた環境パートナー委員会へも参加することとなった。また、長浜市史と彦根市史の編纂に参加することとなり、年度末を目標に調査作業中である。それから、これは個人的な関係であるが、草津市の地元自治連合会との関係から、神社の建て替え計画に参加することとなった。久々の実施設計というだけでなく、地域コミュニティへの貢献にも繋がる仕事なので、学生達と一緒にじっくりかかわっていきたいと考えている。




小 林 正 実

[著書・論文]

1)小林正実:2000年鳥取県西部地震調査報告・2001年芸予地震災害調査報告4.1.2(4) 西伯町・伯太町の被害、日本建築学会, pp75-81, 2001. 2)小林正実:特集記事 2000年鳥取県西部地震−被災地日野町でのシンポジウムから− 13.木造建物被害の特徴−下榎地区、黒坂地区でなぜ被害が大きかったか−、自然災害科学59, Vol.20, No.3, pp259-261, 2001.

[講演・セミナー]

1)小林正実:日野町震災シンポジウム セッション2「被害はこうだった」パネリスト、木造建物被害の特徴−下榎地区、黒坂地区でなぜ被害が大きかったか−、鳥取県日野町・京大防災研主催、鳥取県日野町文化センター, 2001. 2)小林正実:「構造力学の初歩」講習会講師、村上興業(株)主催、水口町村上興業(株)会議室, 2001.

[研究発表]

1)小林、藤原、福本、伊藤、森井、中野、岡本:日野町下榎地区木造住宅の動特性と被害率、建築学会中国支部研究報告集、第24巻, pp367-370, 2001. 2)福本、小林、中野、塩見:境港市竹内工業団地の液状化調査、建築学会中国支部研究報告集、第24巻, pp375-378, 2001. 3)岡本、森井、小林、松波、藤原:日野町下榎地区木造住宅の動特性と被害分布、建築学会大会梗概集(東京), 構造BII, pp.157-158, 2001. 4)小林、藤原、森井:2001年芸予地震による呉市本通及び河内町の木造建物被害、建築学会大会梗概集(東京), 構造BII, pp.173-174, 2001.

[その他]

1)三和産業(株)、小林正実:小型マンホール構造解析報告書、日本小型マンホール工業調査会、2002. 2)小林:2000年鳥取県西部地震の木造建物被害と住宅支援、第2回滋賀県地震防災研究会提出資料, 2002. 3)上谷、見上、小林:Internal Bucklingの有限要素解析と薄肉円筒部材の歪の非一様化現象への応用、日本建築学会、連続体の不均質・多相問題小委員会提出資料, 2001.

[各種委員]

1)日本建築学会、連続体の不均質・多相問題小委員会委員 2)日本建築学会、鳥取県西部地震木造被害調査WG