環境社会計画学専攻この一年

環境社会計画学専攻長 

奥野長晴

1 大学院後期課程(環境学博士)

 大学院環境計画学専攻における今年の最大のニュースは全国に先駆けて環境学博士が誕生することである。陶器浩一君がその人であり、生みの親は滋賀県立大学環境科学専攻 藤原教授である。

 同君は京都大学工学研究科建築学専攻で修士課程終了後、建築設計事務所に就職、そして平成13年4月に当専攻に入学した。この間に発表した学術論文の数は16編(内英文5編)作品の受賞は7回を数える。当専攻在学中は「自然環境との調和」及び「地球環境への低負荷」との2条件を満たしながら、「人間環境を整備する」との命題に対して構造技術が果たすべき役割を究明し、その成果を「人間環境と構造技術とのかかわりに関する研究」という表題の論文に結集させた。当専攻に在学中の成果として、3編の英文の論文を発表する予定である。このような輝かしい実績に基づき、在学年数を短縮、学位請求論文が提出されたのである。大学院後期課程が発足後たった1年間という短期間に、当専攻から環境学博士が誕生したことを誇りに思っている。

2 大学院前期過程(環境学修士)

 環境計画学専攻環境意匠コースから16名が、地域環境経営コースからは5名が、所定のコースを終了した。(後者のコースでは、システム系が2名、政策系が3名である。)一期生の20名を加えると、大学院前期過程の発足後3年目にして、環境計画学専攻に在学した学生41名が環境学修士の学位を授与されたことになる。環境学修士は斯界にとって垂涎の的、「環境の世紀へ人材供給」との使命を見事に果たしたと考えている。彼れら彼女らは地球の未来のパートナーである。