環境動態学専攻の一年

三田村緒佐武

環境動態学専攻長

環境動態学専攻長に就任して約2年になろうとしている。この間,動態学専攻長の重責を果たすことができたとはとても思えないが,何とかこなしてこられたのは,構成員の方々の暖かいご支援のたまものだと感謝している。

1. 教員資格審査

昨年度,環境科学研究科で審議・承認された研究科の資格審査基準「大学院環境科学研究科博士課程特別研究担当教員の資格審査基準」と環境動態学の審査基準要項「環境動態学専攻特別研究担当教員の資格基準要項」に基づき,本専攻の全講義担当専任教員(教授,助教授,講師)に対して環境動態学専攻特別研究担当の資格審査が実施され,有資格者が環境科学研究科会議で認定された。なお,新任教員の該当者についても同上の手続きが実施された。

2.入学試験改革

昨年度,環境動態学専攻博士前期課程入学試験の内容を研究科の理念をより充実させるため,入学試験検討委員会を発足させた。これに基づいて今年度の入学試験が実施され,環境動態学専攻が求める学生が来年度から在学するものと期待される。

 

3.大学院生の動向

環境動態学専攻博士課程に在籍している大学院学生は次のごとくである。博士後期課程の3 学年に12名(このうち生態系保全研究部門が7 名,生物生産研究部門が5 名)が在籍している。彼らは博士の学位取得を目指して日々研究に励んでおり,本人の人格形成にとってまことに有為なことと考えられる。しかしながら,新設大学院の常ではあるが,研究科の歴史は浅く伝統がないことに起因し,学術研究の方法論涵養が未完成であるため,彼らの中には学位取得とその基礎となる論文作成にとまどいが見られるように感じ取れるのは思いすぎであろうか。怒涛の勢いのごとく博士学位の取得者が現れ,本学環境科学研究科の学問理念・思想を世に広めていただきたいと願っている。なお,博士後期課程の2学年には1 名(生物生産研究部門),そして1学年に7 名(このうち生物圏環境部門が1 名,生態系保全部門が3 名,生物生産部門が3 名)が在籍している。一方,博士前期課程には2学年が27 名(このうち生物圏環境コースが5 名,生態系保全コースが15 名,生物生産コースが7 名),1学年は18 名(このうち生物圏環境コースが6 名,生態系保全コースが5 名,生物生産コースが7 名)が在籍し環境動態学の各コース・諸領域において新たな環境科学の創造に向けて学究している。なお,昨年度末,滋賀県立大学学位規定に基づき博士後期課程の学生1 名(生物圏環境研究部門)に博士(環境科学)の学位が授与された。